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「マホロミ」冬目景

4091843360マホロミ 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
冬目 景
小学館 2012-01-30

by G-Tools

建物の記憶が見えるようになってしまった大学生(土神)が、同じように建物の記憶が見える女性(真百合)と共に、かつての建物の主の思いを読み解いていく物語。
主人公が建築家の学生であり、幼なじみの女の子が建築部品マニアであったりするので、建物に関する蘊蓄が日常会話的であり、押しつけがましくない雰囲気です。
また、建築士であった祖父の残した建物に住むところから始まっているために、家に住む人の想いを推し量ることに対する指向性が、主人公の中に(ということは、それを読む読者の側にも)出来上がっていることも、自然に物語世界に入れる下地になっているのではないかと感じました。
横浜が舞台になっていますが、六角橋とか大倉山とか、海側ではない地域がメインで、紋切り型の横浜のイメージになってしまっていない点も、個人的にはお気に入りです。象の鼻パークあたりの話も出てくるのですが、すでにその建物からは海が見えずに、街の人たちも実は海が見えてないことに慣れてしまっている雰囲気で描いている辺り、リアルな感覚なのではないかと思います。

僕が横浜で写真を撮るようになったのは、ここ数年のことで、しかも明治以降の建築物に思い入れがあるわけではありません。むしろ、洋館に関しては「日本の風土と合わないじゃん」という気持ちがあるので、むしろ横浜の無理矢理西洋風にしているような街並みには、違和感を覚えることも多いのです。
でも、古書や中古カメラなど、古い物をいつまでも存在させ続けることに全く郷愁を感じないわけでもないので、建物に対する思い入れも理解できないではありません。この漫画の中にも「建物は使ってこそだと思ってるからね」というセリフがあるのですが、僕も古いカメラを骨董扱いするのは嫌いで、現役で使いまくってます。

冬目景さんの漫画は「ハツカネズミの時間」で初めて読んで中途半端なSF感に手応えを感じなかったのですが、「ももんち」で良い感触をつかみ「羊の歌」「イエスタディをうたって」でかなり好きになりました。
この作品も「建物の記憶を読み取る」というのがサイコメトリー的にSFっぽく書かれているのではなく、建物に心があるかのように擬人的に描かれているのが、冬目さんの絵柄やストーリーの雰囲気に合っているように思えます。
続きが楽しみな作品ですが、「イエスタディをうたって」の続きもよろしくお願いしますよ…。

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