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「全紙写真展 OTHELLO」

7月20日、名古屋の大須で開催された「全紙写真展 OTHELLO」に行ってきました。
公式ブログはこちらです。

平日の昼過ぎにお邪魔したのであまり混雑しておらず、一時は主催側のお三方以外には僕だけという時間もありました。
そのため、12枚の展示と6名の出展者のブックを1時間以上かけてじっくりと拝見することができました。
アンケートの欄いっぱいに感想を書かせていただきましたが、それでも足りないくらい、いろんなことを感じました。

まず、全体的な印象から。
6名の出展者の方達の引き出しが、本当に多いなぁと思いました。全紙で展示している「陰」「陽」の二枚、出展者の方がそれぞれ作成したブック、「オセロガイドブック」で紹介されている写真と、三つの媒体があったのですが、6名の方がそれぞれの媒体で切り取り方が違うんですよね。極端な話「これ本当に同じ人が撮った作品?」と思いたくなるくらいです。それは、自分の「好み」に即した一つの傾向の写真しか撮影することができないということではなく、テーマによって表現の方向性を意識し、それに合わせて技術を使いこなし、計算通りの写真を撮影できる力量があるということなのだと思うのです。
また、「陰と陽」が写真展のテーマなのですが、何が「陰」で何が「陽」なのかっていうのも難しいですよね。テーマ・色彩・光の具合・被写体の感情・撮影者の感情、いろんなものがあります。その辺りも6人6様で面白かったです。

個人的に特に好きなのは、あるさんと大村さんの写真でした。お二方の写真は、どちらかが陰だけでどちらかが陽だけという感じではなく、一枚の中に陽と蔭の両方があって、両方あることで双方が対照的に強調されている感じがするのです。

さて、実は今回一番楽しみにしていたのは大村さんの「読書感想写真」のブックです。大村さんのブログで、今回の写真展に「読書感想写真」のブックを出すという予告があったのですが、僕は写真と同じくらい(かそれ以上に)小説や漫画を愛しているので、それをどんな風に写真にするのか、とても気になっていたのです。
うまく考えがまとまらなくて写真展のアンケートでは触れられなかったので、少し詳しく(シツコイとも言う)書いてみたいと思います。

たくさんの写真の中で、一番印象に残ったのは、「ホモとヘテロの境界…」という文章(どの小説の一節だったのか忘れてしまった…すみません)につけられていた組写真。被写体の女の子の視線が、一枚は下向きで、一枚はカメラ目線なんですよね。下向きの目線が境界があることへの悲しみだとすると、カメラ目線は境界の反対側にいる誰かを求めても得られないもどかしさ、みたいなものでしょうか。二つの感情が見事に対照されていたように思います。
もう一つ印象に残ったのは、村上春樹さんの「ねじまき鳥クロニクル」の「それは一揃いの骨格と、消化器と心臓と脳と生殖器を備えた、ただの生温かい肉塊だった」という一節についての写真。大村さんはここで、不気味さとか無秩序さとかを感じさせる写真をつけています。大村さんの作品には廃墟を扱った写真も多くて、それもやはり同じ系統の写真なのではないかと勝手に思っています。僕は、この一節を「肉体と精神の対比」として考え、そしてあえて肉体を強調するのは、精神やイメージといったものに振り回されがちであることへのアンチテーゼと取っていました。僕の捉え方が「精神ではないもの」という引き算的なものであるならば、大村さんの方は物質としての存在感を足し算的に(というか、無理矢理ねじ込むくらいの強烈さを伴ってますね)捉えている感じです。
一方、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のララァの「美しいものが嫌いな人がいるのかしら?」では、ストレートに美しいものを押し出しています。僕は、死にゆく白鳥に対する哀しみを中心に捉えてしまうのですが、考えてみれば、ララァの台詞も煮えきらないアムロへの苛立ちの部分もあるわけで、「この美しさを見よ!」みたいな迫力があっても良いわけですよね。

普通、好きな写真っていうのは「自分が撮る写真に似てる写真」とか「自分もこう撮りたいなぁとあこがれる写真」なのだと思います。が、大村さんの写真は、自分でも思ってみない方向から思ってもみない一撃を食らわしてくれるような、そんな写真であることが多いのです。
そして、まずは小川洋子さんと森博嗣さんの作品は読まないとな、と思ったのでした。

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