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今さらですが「TARI TARI」を語ります その4

今回は紗羽(さわ)の話。
紗羽の家は、北鎌倉にある浄智寺がモデルなのですが、アニメでは湘南江ノ島駅から山側に入った辺りにある設定となっています。

彼女が合唱を始めたのは、来夏が合唱部を作るのに人数が足らなかったからで、特に歌が大好きという雰囲気ではありません。でも、来夏を応援しようという気持ちはとても強く、第二話でアクシデントで合唱部メンバーがそろわずに棄権しようとした来夏に「あんた、これだけの人を巻き込んどいて何もしないで帰る気?」と怒ったのは彼女でした。第4話でコンドル・クインズの歌に圧倒されて歌うことを忘れそうになった来夏に「ファンクラブで満足なら、わたしもう合唱部やめるからね!」と叱咤したのも彼女です。
とはいえ、田中&ウィーンとの自主練習で、最初にファルセットができるようになったのも彼女で、来夏につきあってるだけだからと手を抜くような性格ではないのですね。
彼女は馬が好きで騎手になる夢を持っています。バドミントンで日本代表になることを夢見ている田中とは、大きな夢を追っているという点で気が合い、TARI TARIで唯一恋愛要素がからんでくる部分でもあります。

ところが、騎手の学校に入るのは体重や身長の制限があって入学を諦めざるをえない状況になり、中盤は気持ちがすさんだり、落ち込んだりする場面が目立つようになります。
自分たちを見下す言動をする声楽部に対してだけでなく、「少し距離を置いたら」とアドバイスした和奏にも「和奏はいいよ。音楽に戻ってきて、いま続けてるからそんなことが言えるんでしょ!」と声を荒げてしまいます。
この辺りの和奏と紗羽のやりとりは、お互い自分の傷をさらけ出した感じで、なかなかつらいものがあります。
「歌で、今でもお母さんとつながってる。でも、もし、もう一回お母さんに会えるんなら、わたし、音楽をやめてもいい。けど、それはもう叶わないから」
「あきらめなくていいことまであきらめたくないから、4人でも歌います。でも、紗羽が来てくれたら、とても心強いです」
前者は直接言葉で、後者はメールで和奏が紗羽に送った言葉です。笑顔を取り戻した和奏だけれども、諦めざるを得ないこともあるわけで、諦めなければいけないことと諦めてはいけないことを、逃げずに見極めることを、和奏は紗羽に伝えたかったのでしょう。
前半は、和奏と来夏、来夏と紗羽という組み合わせで描かれることが多かったのですが、この辺りから和奏と紗羽のつながりが一段と深くなったような気がします。

さて、日本で騎手の学校に入るのをあきらめた紗羽は、最終的には、入学に身長や体重の制限のない外国の学校への入学を希望することになります。
外国への留学や上京で友達と離ればなれなってしまうというシチュエーションは、漫画でもアニメでもよく見かけますが、TARI TARIほど前向きな気持ちで旅立つ友人を見送った作品は珍しいのではないでしょうか。それは、彼女らの歌が「今の自分」のものでありながら、自分たちを新しい世界へ向かわせるエネルギーにもなるものであるからなのだと思います。
この作品の中で挿入歌として使われる「心の旋律」という曲があります。和奏の母、まひるが高校時代に作った歌なのですが、その中にこんな一節があります。「そしてまたどこかで/君に届いたら/思い出して欲しい/輝く笑顔で過ごした日々を」この歌も、今の自分だけではなく、未来の自分への応援歌にもなっている。過去と現在と未来。その結びつきがとても強く意識されたストーリーになっているのが、TARI TARIの魅力の一つだと思います。

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