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2015年11月

中島みゆきコンサート「一会」

昨日は、東京国際フォーラムAホールで開催された、中島みゆきさんのコンサート「一会」に行って来ました。
上演された楽曲など、コンサートの内容にふれた記事となりますので、ネタバレを避けたいとお考えの方は、この先は読まずにスルーして下さいませ。


僕がみゆきさんのファンになったのは、高校二年生の時。「悪女」がヒットした後で、友人がレンタルレコード屋で借りてきた「寒水魚」をテープに録音する作業を頼まれたのがきっかけでした。
それまでも「悪女」だけではなく「ひとり上手」や「あした天気になれ」は聞いたことがありましたし、研ナオコさんの「かもめはかもめ」や桜田淳子さんの「しあわせ芝居」を書いた方だというのは知っていましたが、アルバムを聴いたのはその時が初めてで(厳密には前日譚があるのですが長くなるので省略)、ダビングしたテープを聴いているだけでは物足りなくなってレコードを買ってしまったというわけです。
高校二年生から三年生にかけて、「寒水魚」からさかのぼる形でアルバムを買いそろえ、月曜深夜に放送していたオールナイトニッポンを聞き火曜は眠い目をこすりながら授業を受ける、という生活が始まったと記憶しています。ちょうどその時期にハマっていた「軽井沢シンドローム」(たがみよしひささんのマンガ)で度々みゆきさんの曲へのオマージュがあったというのも拍車をかけたかもしれません。
その後、大学時代の友人たちも中島みゆきがきっかけで仲良くなった人が多かったですし、社会人になってからもパソコン通信で中島みゆきフォーラムに参加しておりました。
ここしばらくはアルバムも買わなくなってしまっていたのですが、それでも昔よく聞いた曲は今でも聴き続けていますし、何より、自分という人間の基調をなすものの一つとしてみゆきさんの楽曲と、それを通して知り合った友人たちの存在があることには間違いありません。


にも関わらず、僕はこれまでみゆきさんのコンサートに行ったことがなく、今回が初参加でした。
その件についても、語ろうと思えばいろいろ語れるのですが、そろそろネタバレ防止の改行代わりにしては話が長くなりすぎましたので、本題に入ろうかと思います。


今回のコンサートの上演楽曲は以下の通り(カッコ内は収録アルバム)です。


もう桟橋に灯りは点らない(LOVE OR NOTHING)
やまねこ(36.5℃)
ピアニシモ(常夜灯)
六花(心守歌)
樹高千丈 落葉帰根(心守歌)
旅人のうた(パラダイス・カフェ)
あなた恋していないでしょ(常夜灯)
ライカM4(組曲 Suite)
MEGAMI(グッバイガール)


ベッドルーム(常夜灯)
空がある限り(組曲 Suite)
友情(臨月)
阿檀の木の下で(パラダイス・カフェ)
命の別名(わたしの子供になりなさい)
Why & No(組曲 Suite)
流星(LOVE OR NOTHING)
麦の唄(問題集)


浅い眠り(EAST ASIA)
夜行(心守歌)
ジョークにしないか(問題集)


アルバムの名前を挙げただけではファンでない方にはわからないと思いますが、僕が高校時代に聴いていた曲から発売されたばかりの最新アルバムの曲まで、かなり幅広い年代の曲で構成されています。


一番熱心に聴いていた高校から大学時代にかけての曲では、当時、自分がどんな気持ちでその曲を聴いていたかということを思い出していました。
その少し後の時代の曲では「ああ、FMIYUKIの人たちとカラオケで一緒に歌った曲だなぁ」という感慨を覚えていました。
新しい曲ももちろん楽しみではあったのですが、「人生の走馬燈状態」のインパクトがやはり勝っていたと言えましょう。コンサートに行ったのが初めてという状況が、それに拍車をかけていましたし。


曲の合間のMCでも、オールナイトニッポンで聞いていたままの語り口に懐かしさを覚え、特に第二部の冒頭での会場からの投書を紹介するコーナーでは、オールナイトニッポンのテーマ曲であった「ビタースウィート・サンバ」がかかり、まるで時間が巻き戻ったかのようでした。


とは言うものの、例えば古い映画がリバイバルで上映されたり、昔読んだ本をもう一度読み返すのとは訳が違います。今年63歳になるみゆきさんですが、歌声にはますます磨きがかかり、表現力も豊かになったように感じました。また、「振り付け」とは少し違うのですが、どちらかというと演劇的な、体を使った表現も見応えがありました(この辺りは演劇的な要素の強い『夜会』の経験なのかなとも思います)。楽器を演奏する方やコーラスの方と共に作り上げる音楽はもちろんのこと、衣装やライティングなどの舞台効果も含めて「これが今の中島みゆきなんだな」と思わせる完成度だったと思います。
この「昔の創作物を今の作り手が再度表現する」というのは、小説や映画にはできないことで、音楽や演劇の表現者がうらやましいと思うのはこういう時だったりするのですよね。


最後にMCの内容で印象的だったことを一つ。みゆきさんが「昔から声が大きくて」というエピソードで学生時代の寄宿舎生活について触れていました。みゆきさんの出身大学については知識がありましたが、寄宿舎に入ってらしたというのは初めて知ったことです。
僕は氷室冴子さんの大ファンでもあるのですが、「クララ白書」「アグネス白書」で描かれたあの寄宿舎でみゆきさんが過ごしたのかという想像はとても楽しかったです(ちなみに、氷室さんはみゆきさんの大学の後輩で『いもうと物語』の文庫本の解説はみゆきさんが書かれていますし、『片思い』の解説は氷室さんが書かれています)。


コンサートの物販では、最新アルバム「組曲(Suite)」を購入してきました。久しぶりに購入したみゆきさんのアルバムです。しばらくはみゆきさんの曲を聴く毎日になりそうな予感がします。

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